「うちの子、走り方がなんだかぎこちない」「体育の授業をいやがるようになった」。そんな様子に気づいて、どうしたものかと考えている方は少なくないと思います。
スポーツクラブに入れるほどではないけれど、このままでいいのかは気になる。かといって、親が教えようとしてもうまくいかない。運動が得意ではなかった親御さんほど、何をどう手伝えばいいのか迷いやすいところです。
この記事では、子どもの運動不足が気になったときに、家庭で何ができるのか、外の場を使うならどう選べばいいのかを整理します。特定の能力が伸びることを保証するものではなく、この時期の体づくりをどう捉えるかを考えるための内容です。前橋で通える場所を探している方にも参考になればと思います。
子どもの体力について語られるとき、全体が落ちているという話になりがちですが、実際にはもう少し複雑です。スポーツ少年団やクラブで活発に運動している子と、ほとんど体を動かさない子に分かれている、という指摘があります。
つまり平均だけを見ていると、実態が見えにくくなります。自分の子がどちらに寄っているのかは、平均値ではなく、一週間の過ごし方を振り返ったほうが早く分かります。放課後に体を動かす時間が何分あるか、休日はどう過ごしているか。書き出してみると、思ったより少ないことに気づくかもしれません。
振り返るときは、次のような項目で数えてみると分かりやすくなります。
数字にすると、感覚とのずれが見えてきます。「うちはよく外で遊んでいる」と思っていたのに、実際は週に一度だったということもあります。まずは現状を知る。ここから始めるのがいちばん確実です。
この背景には、子ども自身の問題というより、環境の変化があります。安全上の理由で自由に遊べる場所が減り、習い事や塾で時間が埋まり、屋内で楽しめる娯楽が増えました。
前橋のように車移動が中心の地域では、家族の外出も車で完結しがちです。大人が歩かない環境では、子どもも自然と歩かなくなります。これは家庭の努力不足ではなく、地域の暮らし方の問題でもあります。
だからこそ、意識して機会をつくらないと、体を動かす時間はどんどん削られていきます。
小学生の時期に重要なのは、力をつけることよりも、体の使い方を覚えることだと言われています。走る、跳ぶ、投げる、回る、ぶら下がる、バランスをとる。こうした基本的な動きを一通り経験しておくことが、後々いろいろなスポーツに取り組むときの土台になります。
ひとつの競技だけを早くから続けると、その競技の動きは上達しますが、それ以外の動きに触れる機会は減ります。この時期は専門性より幅広さ、という考え方が一般的です。
逆に言えば、特別な競技を始めなくても構いません。公園で遊ぶ、鬼ごっこをする、自転車に乗る。それらは十分に意味のある時間です。
この「動きの引き出し」という考え方を具体的にすると、次のような動作を一通り経験しているかどうか、という話になります。
改めて並べてみると、昔の子どもは遊びの中でこれらを自然に経験していたことが分かります。鉄棒、木登り、缶けり。いまはその機会が減った分、意識してつくらないと触れないまま大きくなってしまうということです。
子どもに運動をさせたいと思ったとき、いちばん手軽で効果が出やすいのは、大人が一緒に体を動かすことです。「行ってきなさい」より「一緒に行こう」のほうが動きます。
休日に少し長めに歩く、近所の公園まで自転車で行く、キャッチボールをする。特別な道具も技術も要りません。むしろ親が下手なほうが、子どもは気楽に取り組めることもあります。
そして、これは大人の運動不足の解消にもなります。子どものためだけの時間だと思うと続きませんが、自分にも意味があると思えば話は別です。実際、親子で通える教室が選ばれる理由のひとつは、送迎の時間を待つのではなく、その時間を自分にも使えるところにあります。
また、子どもは大人の様子をよく見ています。親が体を動かすことを面倒がっていれば、それが標準になります。逆に、たいして上手でなくても楽しそうにしていれば、運動はそういうものだと受け取ります。教えるより、見せるほうが早いことは多いものです。
休日にまとまった時間が取れないなら、平日の夕方に十五分でも構いません。長さより、繰り返しがあることのほうが記憶に残ります。
運動が苦手な子ほど、失敗を人前でさらすことに強い抵抗があります。できないことを指摘されると、その動き自体を避けるようになります。
気をつけたいのは、次のような声かけです。悪気なく言ってしまいがちですが、逆効果になることがあります。
代わりに、やってみたこと自体に触れてみてください。「さっきより足が上がってた」「最後までやったね」。過程を見てもらえていると分かると、次にもう一度やってみようという気持ちが生まれます。
もうひとつ、親が思っている以上に効くのが「見ていること」を伝えることです。子どもは、うまくできたかどうかより、見てもらえたかどうかを覚えています。褒め言葉が思いつかなければ、「見てたよ」の一言でも十分です。
逆に、親自身が運動に苦手意識を持っている場合、それが言葉の端に出てしまうこともあります。「お母さんも昔から走るのは遅かったから」といった一言が、子どもにとっては「うちはそういう家系だ」という結論になってしまうことがあります。事実として話すのは構いませんが、あきらめの理由として渡さないほうがよいでしょう。
まとまった運動の時間を確保するのは、家庭によっては簡単ではありません。共働きで送迎が難しい、下の子がまだ小さい。そうした事情がある場合は、生活の中に混ぜ込むほうが現実的です。
これだけで運動不足がすべて解決するわけではありません。ただ、「体を動かすのは特別なことではない」という感覚が育つことに意味があります。運動は着替えて出かけてやるもの、という前提が強すぎると、その準備ができない日はゼロになってしまいます。
もうひとつ、家の中でもできることがあります。雨の日や冬の夕方など、外に出にくい季節にはこうした形が役立ちます。
ばかばかしく思えるかもしれませんが、この年代の子どもにとっては十分な運動になります。何より、笑いながらできることが続く条件になります。
子どもの運動の場を探すとき、大きく分けて二つの方向があります。ひとつは競技として上達を目指す場、もうひとつは体の使い方を身につける場です。
どちらが良いということではなく、子どもの性格と目的によります。競争が励みになる子もいれば、比べられることが苦痛でやめてしまう子もいます。「運動が嫌いにならないこと」を優先するなら、後者から入るという選択もあります。
前橋市内にもスポーツ少年団から民間の教室まで、さまざまな場があります。見学のときは、指導内容よりも、通っている子どもたちの表情を見ておくと判断しやすいかもしれません。楽しそうにしているか、うまくできない子が放っておかれていないか。この二つは、説明を聞くより実際に見たほうが早く分かります。
また、親の関わり方の期待値も確認しておきたい点です。当番や送迎の分担、試合の付き添いなど、家庭側に求められる負担は場によってまったく違います。始めてから知ると、続けるのが難しくなることがあります。
実際に場所を選ぶ際は、次のような点を確認しておくと、後から「思っていたのと違った」となりにくくなります。
とくに送迎は、続けられるかどうかを左右する大きな要素です。子どもがどれだけ気に入っても、家族が疲弊すると通えなくなります。前橋のように車移動が前提の地域では、駐車場の台数や入りやすさも見ておくとよいでしょう。
ぜんそくやアレルギー、心臓の疾患、過去のけがなど、気になることがある場合は、運動を始める前にかかりつけの医師へ相談してください。学校の健康診断で指摘を受けたことがある場合も同様です。
運動そのものを止められることは多くありませんが、避けたほうがよい種類や強度について助言をもらえることがあります。また、その内容を通う先にも伝えておくと、いざというときの対応が変わります。
成長期の体は、大人とは異なる注意が必要な時期でもあります。骨が伸びている途中の部分は、繰り返しの負担に弱いと言われています。同じ動作を長時間続ける競技では、痛みが出やすい部位がある程度知られており、早めに気づけば大事に至らずに済むことも少なくありません。
子どもは、休むと迷惑がかかると考えて痛みを隠すことがあります。「痛くない?」と聞いても「大丈夫」と答えてしまう。ですから、言葉だけでなく動きを見てあげてください。かばうような歩き方、以前より動きが小さくなった、着替えを嫌がる。そうした変化のほうが正直です。
痛みを訴えたときに「気のせい」と流さず、続くようなら医療機関で診てもらう。この習慣があるだけで、避けられることは多くあります。
本サイトの健康・運動に関する情報は、運営元の医療機関ローズタウン糖尿病内科の監修のもと作成しています。Medifit Labは医療機関ではなく、診察・診断・処方などの医療行為は医療機関(ローズタウン糖尿病内科/かかりつけ医)が行います。運動による変化には個人差があり、効果を保証するものではありません。お子さまの持病やけがについては、必ず医療機関にご相談ください。
子どもの運動不足は、本人のやる気の問題ではなく、遊ぶ場所や時間が減ったという環境の変化が背景にあります。前橋のような車中心の地域では、大人が歩かない生活そのものが影響していることもあります。
この時期に大切なのは、特定の競技を上達させることよりも、走る・跳ぶ・投げる・回るといった基本的な動きを一通り経験しておくことだと言われています。ですから、特別な習い事を始めなくても、公園で遊ぶ時間や家族で歩く時間には十分な意味があります。
外の場を使う場合は、送迎の負担と、子どもが「また行きたい」と思えるかを軸に選んでみてください。そして、持病やけがのことは始める前にかかりつけ医へ相談を。運動を好きなまま大きくなってもらうことが、この時期のいちばんの目標かもしれません。
競技の上達を目指す場と、体の使い方を身につける場では雰囲気が異なります。運動を嫌いにならないことを優先するなら、勝ち負けを競わない形の教室から始める方法があります。見学や体験で様子を確かめてから決めると安心です。
年齢で明確な線が引けるものではありません。小学生の時期は、特定の競技よりもさまざまな動きを経験しておくことが土台になると言われています。まずは家庭で一緒に体を動かす時間をつくるところからでも構いません。
まずはかかりつけの医師にご相談ください。運動の種類や強度、環境について助言をもらえることがあります。その内容を通う先にも伝えておくと、いざというときの対応がしやすくなります。